遊佐は恋バナがあまり好きじゃない。


遊佐から異性の話を聞いたこともないし、もちろん私も話したことはない――玲を除いて。


「そ、そんなことより!夏休みどうする?旅行とか予約しなきゃだし……」


私は麻紀の言葉を受け流しつつ、夏休みの話にもっていった。


「あー、そうだね。来年は遊べないし、パーッとハワイ辺りにでも行っちゃう?」


朱奈が鞄からハワイのパンフレットを取り出す。


気が早過ぎではないだろうか、というかハワイは仰々しすぎやしないか。


「朱奈、ハワイはない。せめて京都とかなら現実味がある」


「……なら、京都の」


理恵がため息をつくと、朱奈は少しいじけた様子でハワイのパンフレットをしまい、代わりに京都のパンフレットを出してきた。