マズイ…


涼は昔から唯斗と比べられるのが大嫌いなんだった。


あーもうっ!



なんで口に出しちゃったかな、私!



「あとで謝れよ」


なぜか少し微笑んでいる千尋が
私の頭を撫でながら言う。


「う…うん」


そんな千尋に少し照れてしまう私。



私たちを取り囲んでいた女子の群れからは、

しょんぼりと元気をなくした私をみてか
はたまた
走りさった涼をみてか。



『えー…なに? 修羅場?』

『あの女…唯斗様とも話しやがって!』

『涼君かわいそう…』




こんな心ない声が聞こえてきて。


周りの女子からの私の評判は悪くなっていく一方みたいだ。