「……それは、俺のセリフだと思ってた」 葵の声が聞こえると、翔平はハッとして顔を上げる。 葵は口角を上げて少し腰を屈めて翔平に向かって手を差し出していた。 「また、いつでも来ればいい」 そう言った葵の手を握って思いっきり泣き始めた。 翔平の嗚咽がおさまり、穏やかな雰囲気が流れ始めた。 そんな翔平の頭を撫でて通りざまに口を開いた。 『ーーーーよく出来ました』 翔平は、頭の上に置かれたハンカチと紙切れを見て目を見開いていた。