薇姫/獣帝




男はバッと私を見た。



「何でお前縄とれてんだよ!?」


目を丸くして聞いてくる男の頭を撫で続けながら答えた。



『縄緩くなってたから』




そう言って、頭から頬に手を移動させ、ぎゅっと摘まんだ。




「いってえええぇ‼」


男はすぐに頭を振り、手を外させた。




結構力が入ってたらしく頬は赤くなっている。




『………ちゃんと、解ってんならいいんじゃねぇの。』




男は目を丸くして私を見る。




『自分のやった事を、解ってるならいいんじゃねぇのか?



悔やむ事をしないのが最善だが、そんな事この世の人間は出来ない。






誤ちを犯して、それを次に生かす事で人間は“良い人間”になるんだよ。』




そう言うと、男は目尻に涙を溜めて唇を噛んでいた。




そっと唇に手を伸ばして歯をはずさせた。




『いてぇだろ』そう言って唇をなぞると、顔を真っ赤にした。




「お、男が男の唇触んなボケ‼」



………まぁ、許してやろう。



クスリと笑うと、男はぽかんとした顔になった。



「………笑った…」


そう呟いてたのに、私は気づけなかった。




『………大量のバイクの音』




私は立ち上がって神経を集中させてる男を見る。