薇姫/獣帝




『離してください』


「………猫被りもいい加減にしたらどうだ」


『………チッ』



気づかれてたのは、知ってた。


でも、こんなにストレートに言われるとムカつく訳で。



睨みつけて舌打ちしてしまった。


「………フッ、本当気がつえぇ奴」





『………猫被ってんのわかんなら、俺があそこ行くの拒否ってんのも解ってんだろ?



離せよ』



「お前に行く行かねぇの選択権なんて最初っからやってねぇよ」




『………マジうぜぇ』




舌打ちして蒼い何もかもを見透かす様な目を逸らすと、芦屋の間抜けな顔が見えた。




「………とりあえず、中入ろうか」



芦屋のその一言でまた腕を掴まれた引っ張られた。




……嫌いだ、コイツ




私は引っ張られている手を握り締めた。