「お、会合終わったのか?」 『………棗かよ』 「“かよ”って何だ“かよ”って」 子供みたいなこいつは谷口 棗-Tanihuchi Natsume-。 『終わったよ』 「………ご苦労さん」 わしゃわしゃと骨ばった大きな手で私の頭を撫でる。 すっと目を細めてその感触に浸っていた。 『棗、何で離れに居るの?』 「………」 何も言わずにそっぽを向く棗にわざとらしく溜息を吐いてからまた私の部屋に歩いた。 その後を棗がついてくる。 棗が私の部屋に来るのはあまり珍しい事では無い。