太ももにかかる紘の髪を触ると、紘は小さく息を漏らした。
「お前、何なんだよ~。
呼ばれたの2回目なんすけど~」
『しょうがないだろ』
獣帝の倉庫の幹部部屋にみんな集まって、棗を呼んだ。
棗は怠そうにぼうっと前を見ていて紘は気持ち良さげに寝ている。
『…ごめん、紘が』
「あ?
あぁ、」
來哉の頬には盛大な引っ掻き傷があって紘の爪の間に血がついてるのを見ると確実犯人は紘だろう。
『……何から聞きたい?』
小さく呟くと、來哉達は小さく肩を揺らした。
『……まず、暴走の原因か』
小さく呟いて紘に目を向けた。
『……紘はさ…簡潔に言えば、
母親を目の前で殺されたんだよ』
尚がゴクリと喉を鳴らした。
來哉は眉を寄せて恭輔は思いきり目を瞑って、陽と透璃は目を伏せた。
『……前にお前等が会った晴斗。
晴斗と一緒に居る時に、母親が2人を庇って殺されたんだよ』
子供の頃の話で紘がとても素直で笑顔が無邪気だった頃の話。
それからだった。
自分の殻に閉じこもったのは。
『……そのまま母親は息を引き取り、晴斗と紘は罪悪感で支配される様になった。
晴斗は何とかなったものの、紘は心を成長出来ずにまだ十字架を背負っている。
……紘は無理のしすぎだった。
あの、総長らしき男の言葉でこうなったんだろう。』
問題は、この後だ。
紘にまで崩壊を促した。
獣帝の場所まで来させたのは、獣帝も気づかれているという事だ。
「……厄介だな…」
棗は舌打ちしながら首をこきりと鳴らした。
『……これから暫く紘と私は来れないかもしれない。』
その言葉に全員私を見た。
來哉は何か言いたげに口を開いた。
『ごめん、何も説明する事は出来ない』
そう言って棗に紘を押し付けて立ち上がった。
『帰るね。
紘がごめん。』
「ぁ、あ……」
まだ理解しきれてない皆を置いて車の元へといった。

