來哉達のホストクラブのパクリの様なマネに少し申し訳なく感じながら教室に入ると騒がしかった声が無くなった。
じとっとクラスの奴等が私達を見る。
「……ぁ、これ琉稀だよ?」
ひょいっと私の首根っこを掴んでウィンクする尚の手を払いながらクラスの奴等を見る。
すると、ぽかんとした顔でクラスの奴等と來哉達はフリーズした。
「っはぁぁぁあああ?!?!」
…男共の間抜けな悲鳴が耳に残りイライラしている今。
『……』
「ごめん、琉稀、そんなに似合うと思ってなかった…」
学級委員と言う名の不良は爆笑しながら私の背中をバシバシと叩く。
むすっとした顔で睨むとケタケタと笑って降参、と両手を上げる。
……バカにされている気がしてならない。
『……』
「琉稀、似合ってる」
紘、その言葉もどうかと思う。
女に男が似合ってると言うのは、性別を変えろと言う事か?
そうなのか?紘?
『……全て無くなってしまえ』
ポツリと呟いた言葉は周りの興奮した声に掻き消され、誰にも届かなかった。
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「っさぁ!
やんぞ‼張り切って働けーー!」
放送で柊の楽しげな声が学校に響く。
「働くと共に、楽しさと協力性を学べ!」
柊が微笑んでいるのが頭に浮かんだ。
あいつの行動は単純だから…合ってる根拠がこれまでかって程ある。
単純馬鹿野郎。
紘は溜息を吐いて放送の流れるスピーカーを見ていた。
紘は紘で兄貴が好きなんだと思う。
氷室で1番下に出来た子だから皆にからかわれたり、いじられたりするのが紘は不満そうだったけど、
コミュニケーションが下手な紘にとって氷室の組の奴等と兄貴、父親は唯一無二の存在なんだろう。
それに、尊敬と憧れ。
その両方に紘はきつく執着している様にも見える。
……そして、
奴等に対する罪悪感。
……それが、紘にとって…育たない心と闇の終着点だ。

