更衣室から出ると尚と透璃が壁に凭れて居た。
尚はグレーのスーツに白のカッターシャツに革靴を履いていて、透璃は黒のカッターシャツにグレーのスーツ。
透璃と尚は私を見て目を鋭くした。
「てめぇ誰だ」
……は?
…たしかに、茶髪のワックスでたててあるウィッグをかぶってるけど、気づかれないのか?
『……私なんだけど』
不機嫌な声でそう言うと、尚と透璃は目を見開いて口を開いて間抜け面。
「……琉稀?」
『…ん……』
小さく唸る様に返事すると尚は「えぇえええぇぇえ?!?!」と叫んだ。
いつもなら多分「煩い」と言うはずの透璃も口を開けて呆然と私を見る。
「……何だろ、負けた気がする」
尚はブツブツいいながらぐすぐすと鼻をすする。
鬱陶しいとか考えながらも止めはしない。
喋りかけたくないから。
「とりあえず、教室行こう」
透璃はハッとした様に目の焦点を合わせて歩き出した。
それについていくと、尚もブツブツいいながらついてきた。
…何だろ、私達もホストみたい。

