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明るく彩られた大きい看板には雷学冷祭と書いてある。
驚く程どうでもいい看板に何の反応もせず透璃と尚は通り過ぎる。
「紘は?」
尚が適当にそこに居る男の子に声をかけると男の子はぎこちない笑顔で「教室です」と答えた。
尚はそれにお礼も言わず校舎へと足を向けた。
……
『…ありがとね』
「え?」
『教えてくれて』
男の子は焦った様に目を泳がせてもごもごと口を動かす。
「ぃ、いえ…」
後頭部を掻きながら少し頬を赤くする男の子は多分、一般人なんだと思う。
尚がわざと冷たくすぐに突き放したのはこの子に悪影響を及ぼさない為だろう。
他の族に狙われればどうなるかはわからない。
計算を計算で合わせるところが不思議でならない。
頭いいのか悪いのか…
微笑みながら尚を見ると尚はふと振り返って首をかしげた。
「琉稀ー?
行かないの?」
可愛らしくへにゃりと笑う尚につられて透璃も足を止めて私を振り向く。
それに少しだけ笑ってそっちに歩き出した。
…その場の男の子がぼうっと私達の校舎に向かう背中を見ていた事に気づかなかった。
その瞳にはーーーーー

