倉庫から普通に帰って普通に寝ていた。
紘は倉庫に泊まってったらしいけど。
今日は奴等に会ってからよく寝ていた方だが寝れなくて目の前で回る赤い視界と一晩中格闘していた。
制服に着替えて気持ち悪い感触のする足を見る。
柊が私をどう思ってかは知らないが、スカートを履く様に言われた。
それを初めて着て、今までのズボンが慣れ過ぎててスカートが気持ち悪かった。
『……はぁ…』
思わず出た溜息を気にせずワイシャツの上にグレーのパーカーを着て黒のスカートを若干でかいソレで隠した。
…パーカー、紘のだしね。
私はそう思いながら以外にデカくて自分の服との重さの違いに肩が凝りそうだ、と呟いた。
自分の部屋の向かいの部屋が目に入り、赤く滲んだ視界は赤黒く変化する。
『……』
私の世界は赤くて、
白い。
あの子も、あの人も好きだった白。
綺麗に纏められた真っ白の部屋にはあの子の甘い香水の匂い。
抱きしめてくれる度に甘い香りが私の鼻をくすぐった。
その匂いがそこにある。
なのに、
虚しい。
キズとラクガキだらけの机の上にある一枚のシルバーのシンプルな写真立て。
それに手を伸ばしかけたところで冷たい電子音が耳に流れ込んだ。
ハッとしてすぐに部屋を出て洗面所に向かう。
冷たい水で顔を洗って急いでカラコンを着ける。
銀と赤は黒に染まり、視界は赤では無く色のある世界へと変わった。
携帯の電子音がもう一度流れだし、パーカーのポケットから取り出して片手を拭いてから通話ボタンを押した。

