「真弓まだここに居るんだな…」
「あんま屋敷来ないしね」
暁月と日向は懐かし気に目を細めながら話していた。
「琉稀、怪我痛む?」
『あー……うん、』
「そっか…薬持ってきたけど、使う?」
『咲夜のはよく効くからね…うん、使っとく』
素直に返事をすると、咲夜は微笑んでから棗、日向と暁月と淳を出そうとした。
『別にこいつ等ならイイけど…』
私がそう言うと、皆は私に哀れむ様な視線を向けた。
「…ど~こで育て方間違えただろ?」
「間違っちゃいねぇよ、少し歪んだだけ」
「一緒じゃね?」
皆はひそひそと話しながら私を見ていた。
「あ、獣帝の奴等は出てた方がいいぞ」
暁月がドアに目を向けて言うのを聞いて、ドアに視線を向けると獣帝の皆がいた。
『ごめん、追い出す形になって』
「いや……それはいいけど………」
恭輔は困った様に頭を掻いた。
「服脱ぐからでとけ。
こいつは裸でも恥ずかしがらねぇから」
棗が私を指差しながら溜息を吐いて言った。
『失礼な』
「事実だろ」
『お前等だけだよ』
「………」
黙り込んだ黒スーツの野郎等に怪訝な顔をすると、「お前はいつも雰囲気を壊す!」と暁月に怒られた。
咲夜と日向は嬉しそうに笑ってて、淳は少し顔を赤らめて頬を掻いた。
棗も呆れた様な視線を私に向けながら口角を上げていた。
『ごめん、薬塗るから……服着たら呼ぶから』
「うん、そうするね」
恭輔は顔を赤くしながらドアをガンッと音をたてながら閉めた。
………そんな力強く閉めなくても…
そんな事を思いながら病院で着るあの服を解いて脱いだ。
腹にはしっかりと包帯が巻かれていて、それで傷が結構深かったのが解った。
咲夜は包帯をほどいていって傷が露わになった時、眉をしかめた。
「………結構酷い縫い傷ですね」
その言葉に皆も腹を覗き込んで、咲夜同様眉間にシワを寄せる。
「膿むのは無かったみたいですが、薬は危ないか……いや、痛み止めくらいは大丈夫でしょう」
咲夜は自問自答してスーツのポケットから小さなガラスのケースを取り出した。
その中に入っている白い薬を私の傷に塗る。
『………押さえると痛いな…』
「すみません、もう少しなんで」
咲夜は困った様に眉を下げながら薬を指先で掬ってまた塗りつけた。
「………何か…咲夜、女子高生襲ってる変質者みてぇ」
「スーツ着てるしな」
………お前等もだろ。
「それ以上言ったら口ん中に溶けた鉛を流しますよ」
「「すみません」」
日向と暁月は怯えた様な表情をして謝りながら咲夜から遠ざかった。
「はい、これで少しは楽でしょう」
『うん、ありがと』
包帯を器用に巻く棗と薬を片づけてポケットにまたしまう咲夜、淳は私の頭を撫で続けていた。
日向と暁月は白けた目を咲夜に向けていた。
『いーよー』
まぁ、聞こえる筈も無いのに言った自分に呆れた。
すると、暁月がドアを開けて「いーぞ」と言った。
暁月の後に來哉達は静かに入ってきた。
いつも五月蝿い尚でさえ黙っていた。
…ソワソワはしてたけど。

