「……久しぶりに泣いたかも」
『……………誰か泣いてたの?』
「………ありがとう。」
『ん。』
水で冷やしたタオルを恭輔の目元に押さえつける。
「冷たっ」
『ガマン』
私達はそんなやりとりをして何だか笑ってしまっていた。
「……もう大分いい?」
『……………うん、いいよ』
見ると腫れは収まっててすこし赤くなってるだけだった。
『リビング行こう、時間かかったね』
「あ、琉稀」
恭輔に呼ばれて振り返ると、恭輔の顔がすぐ目の前にあった。
ちゅっと可愛らしい音を立てて離れていった柔らかい感触と恭輔の顔。
『……………』
「お礼だよ」
人差し指を口の前でたてて「内緒ね」と言ってリビングに戻って行った。
柔らかい感触はギリギリ口じゃ無く頬だった。
口の真横と言った方が近い。
『…………何だあいつ』
ポツリと呟いた言葉は誰にも届かなかった。
その頃恭輔ーーーー
「♪」
面白くなりそうだな~。
何て思ってた。

