薇姫/獣帝



「お、來哉が来たー珍しいー。



あ、琉稀も!」



尚は前髪を掻きあげながら笑った。




「どうかしたの?」



恭輔は首を傾げて私達に近づいて来る。




紘は苦痛そうに顔を歪めて私に寄り添う。




肩の傷の理由を知ってるごく一部の1人の人間だからね。




私は苦笑しながら紘の頭を撫でた。




「……る…」



「何も言うな」



尚が口を開きかけて、陽が鋭くそれを遮った。


皆の視線は私の肩に集まっていて、それに苦笑を零すしか私は出来なかった。



「……よし、ビーチバレーしよっか」



恭輔は微笑んで砂浜を指差した。




「やったぁー‼」



「ちなみに遺体回収はしないからね」




……後で付け足した言葉さえなければ、とても大人っぽいと思ったのに。




私は溜息を吐いて恭輔を見た。



透璃と尚達はコートを書いて、ネットを張っていた。




…いや、アレただ単に木の棒に網くっつけたやつだ。



どこから集めたんだ、とツッコミたくなったけど何も言わずただぼーっとしていた。




「よーしっはじめよ!チーム決めね!




はい、ぐーっとーっぱ!」




慌てて手を出す。



その結果をみると、綺麗に別れていた。




グー
私 透璃 尚 陽


パー
來哉 恭輔 紘



「3対4だけどしょうがないね~」



陽はビーチボールをくるくると指先で回しながら笑った。




「んじゃ、先攻はそっちからでいいよね」



「あぁ……」



「よーし、はじめっ!」




尚の合図でビーチボールが宙に浮いた。