薇姫/獣帝




「……何か琉稀ってすごいよね」



尚が笑いながら私の頬をぷにぷにと突っついた。


『別に……』



「だから好きだよ、姫さん」


陽は私に抱き着いていつもの様に笑った。


「「離れろクソ犬」」



「何でクソ犬?!」



陽に2人で蹴りをいれていた。



……陽って実は傷だらけだと思う。



始めて陽に同情していた。



そんな時に2人で店を出て来た來哉と恭輔。


「何でそんなに楽しそうなの?」



恭輔はニコッと微笑みながら聞いてくる。




「……内緒っ!」


「ふっ、知らなくていいよお二人さんは」



「……フン」



透璃の鼻で笑うのがすごく偉そうに聞こえて、私も笑ってしまった。




紘は呆れた様な表情をしながら口元には笑みを浮かべていた。




ずっと黙っていた紘は、さっきの話が苦手だったから。




『早く車行かない?


亮太可哀想』




「あぁ‼忘れてたぁ‼」



酷いな。




尚の叫びを最後にショッピングモールを颯爽と駆けた。



……ショッピングモール、しかも沢山の人が居る中で走り抜ける奴等って、人の目から見たらただの変人だよね。




自分の滑稽そうな姿に少し絶望を感じた。