薇姫/獣帝



「……琉稀、久しぶりの再会なんだし…『あそこに馴れ合いはいらない。』



「………」


『そう教えてくれたのは、棗でしょ?』



後ろを振り返って棗の顔を覗き込む。



棗は苦々しく唇を噛んだ。




『痛いでしょ。』


手を伸ばして棗の唇を割って歯を唇から離した。


棗は私の指をガブっと噛んで私を見下ろした。



『……痛い』


「知らん」



歯から私の指を離し様私の手を引いて歩き出した。




棗は不可解な行動をよくとる。



解らないが、何か思いがあっての事では無い様に感じる。



私は棗の育った大きな背中を見ながら





置いていかれる様な感覚に陥って、掴まれていた腕にきゅっと自分から力をいれた。