薇姫/獣帝




着いた本家は相変わらず。



中に咲夜と棗と入ると、中に居た組員は目を見開きながらも笑って「お帰りなさい」と言ってくれた。



藍城に居る奴等はフレンドリー…と言うか優しい。



そんな藍城の雰囲気は好きだし、認めている。


上から物を言える様な立場では無いけれど。



私は皆に笑顔を返して奥へ進んだ。





玄関のシューズボックスに怜央の愛用の革靴があったし、本当に居るんだな…と思った。



あいつは年柄年中多忙で、年に会うのは数回だ。




奥の間からは楽し気な声がいくつも聞こえる。



その中に、レオの声が交じっていた。




私が襖を開けると、あいつが居た。





「琉稀!」




奥に居るあいつが私を見て名を叫ぶ。



……………



『他人のふりしようか。』



「ひでぇな、兄貴なのに」



そう。



こいつ……………


藍城 怜央-Aijou Reo-は私の義理の兄貴。



私の代わりに導入された、若頭。



怜央の人生の7/10はヤクザの道になってしまった。




私が……ーだったから…………



私は目を伏せて怜央への罪悪感を感じていた。



「座れ」



そう低く押しのある声を発する、父。



私はそれに素直に従い、棗と咲夜と共に座った。