薇姫/獣帝




「おーおー、随分とお疲れじゃねぇか。」



『しょうがないだろ、寝てないし』



「今日は怜央が来てるぞ」


『知ってるゎ。



それで呼び出されたし』



隣で運転する棗。



棗は目を懐かしそうに細める。



……そうか、怜央とも縁は深かったか。





私はシートに深く腰掛けた。




「……怜央さんが帰って来るなんて珍しいですしね」



『ぁあ゛!?』



私は変な声を出して後ろを振り返った。



「こんばんは、琉稀」



後ろには咲夜が微笑んで座っていた。



『、何で咲夜が…』



目を見開いていると、隣でブハッと汚く噴いた野郎。



私はそいつの頭をゴンッと鈍い音をたてながら殴った。


「ってぇ‼」



『何で居るの?珍しい』



「いや、ただ暇だったので。」





咲夜は微笑みながら私を見ていた。



咲夜の視線はいつも真っ直ぐで、受けるこっちが恥ずかしくなる。



私はわざとらしく目を逸らして前を向いた。



「……怜央、琉稀に会うの楽しみにしていますよ」






咲夜の小さく懇願する様な声に私は俯いて目を瞑った。