薇姫/獣帝



「よーし、お前等ー


エンジンかけっぞー」



陽がへらへらと笑いながら自分のバイクのキーを指でクルクルと回した。



「「「おぉぉぉ‼」」」



面子の子達は一斉に自分のバイクの元へと散らばる。




「おい、お前も取りに行くんだぞ」



來哉はぼうっとしていた私の腕を引いてバイクの元へ行った。



わたしは掴まれていない方の手でバイクのキーを取り出した。




「……………フッ」



バイクのキーを見て、來哉…こいつ、笑いやがった。



『……んだよ』


ギロリと睨みながら問うと、來哉は口元に手を寄せながら私を見た。


「んだよそのキーホルダー」




……………



私のキーホルダーは家の鍵、バイクのキー、バイクのキー、車庫の鍵、本家の鍵、紘ん家の鍵…etc





が、つめられている。




……………あぁ。



『多いって言いてぇのかてめぇおい』


「ククッ………」



肩を震わせて笑う來哉の脇腹に手刀を入れた。



來哉は笑いを無くし、脇腹を押さえて何かに耐える様に、じっとしていた。



私はその姿にフッと笑い返して歩き出した。



來哉もその後を俯きながらついてきた。


『…いつまで拗ねてんの?』


「拗ねてんじゃねぇ、いてぇんだよ」


來哉の顔をバイクにキーを差しながら覗き込むと、いたそうな顔をしてた…