薇姫/獣帝



手持ちのコップの中のジュースを飲んで、立ち上がる。


『ジュースとってくる』



紘はこくりと頷いて尚と透璃はムッとした顔をしていた。


苦笑して2人の頭を撫でてから戦場の少し隣の飲み物置き場に向かった。



「琉稀」


グレープフルーツを入れていると後ろから声がして、ソレに振り返った。



『何?』



私を見下ろす、來哉だった。


少し心配気な表情をしている。



「……バイク、大丈夫なのか」



『少なくとも、ヘマする程下手ではないよ』



少し笑ってさっき注いだグレープフルーツジュースを喉に流し込んだ。



「……」


『來哉って意外に心配性?』



俯いた顔を覗き込むと、來哉はバッと顔を背けた。




……何なんだ。



びっくりしてそこで固まっていると、さっきまで居た場所から「ギャハハッ‼」と言う下品な笑いが聞こえた。



「來哉っひぃっ…ぎゃはははは‼


お腹いたっ…」


尚と陽が私達を指差して笑っている。




いや、正確に言うと來哉だけか?



私は呆れた表情で奴等を見た。




「おいでよ、琉稀、來哉」



恭輔も顔を片手で覆って肩を震わせてるけど、もう片方の手で私達に手招きした。



『ん。』


グレープフルーツジュースを飲みながら足を踏み出した。




横目に見えた來哉の耳が赤く見えた。





……のは気のせいか。