薇姫/獣帝





車の中は微妙な空気のまま学校に着き、車から降りた。


『先行ってて』



「…俺は?」


『理事長室に柊居るでしょ』



不満気な紘を無理矢理送り出して運転席に居る亮太の所に行った。


窓をコンコンと叩くと、亮太は不思議そうにこっちを見てから少し目を見開いた。




急いで窓を開けて顔を出した。



「どーしたんだよ」



『いや……


紘、悪かったな』



そう言うと、ぽかんと口を開けて私を見る亮太。


亮太はハッとして「殺気?」と聞いてきた。




『あぁ。


あいつの殺気、結構クルだろ?』



「あぁ、やべぇよ。


族の奴等でもあんまいねぇよ、あんな殺気出せる奴」



まぁなぁ。




本職に勝とうとする事は出来ないと思うけど。


『とりあえず、悪かった』


「いいて、気にすんな。



あれにビビる俺も俺だ。


あれ、全然本気の殺気じゃなかったろ?」



亮太は右目を瞑りながら眉を下げた。


『まぁな…』


「怖えゎー、琉稀の友だち」



けたけたと笑う亮太の頬を引っ張ればすみません、と返ってきた。