目を閉じると 本当にお兄ちゃんみたいで。 お兄ちゃんに抱きしめられたことはないけど、お兄ちゃんが抱きしめてくれたらきっとこんな風なんだろうな… 「お兄ちゃん…」 「うん、菜乃…」 私の言葉に答えるようにして中野くんも名前を呼ぶ。 あぁ 目の前のあなたが本当のお兄ちゃんだったら… 私はきっと、死んでもいいくらい幸せかもしれない。