「菜乃…」 「っえ…!?」 「ご飯、まだ?」 「えっあっ!ごめん!今作るね」 いきなり名前で呼ばれてびっくりしたのか、慌てている。 そして急いでキッチンに向かった。 思えば、菜乃が料理しているところは初めてみる。 その髪を結ぶ仕草も、 袖(そで)をまくる仕草も、 全部が愛おしく思える。 人間っていうのは、自分の気持ちに気付くとこんなに変わるものなのか? 今までの自分が嘘だったみたいに…