私を強く、強く抱きしめた。 ―もうどこにも行かせない そんな言葉が聞こえてきそうなほど、強く。 「お兄ちゃん…」 そう言ってもお兄ちゃんは口を開かない。 だけど、いいの。 こんなに安心して、幸せなのは初めてだから。 抱きしめられると感じる。 お兄ちゃんの温もり。 私がお兄ちゃんに対する気持ち。 私はいつの間にこんなに好きになっていたんだろう? お兄ちゃん、 もう少し、このままでいたいよ。