「何でお兄ちゃん…」 「何?俺が出てきちゃ悪い?」 「いや…あの…」 「何なの?うざいんだけど」 相変わらず冷たいけど、私が呼んで出てきてくれたのは初めてだった。 「そこ、どいてくれない?邪魔」 今日、初めて自分の気持ちに気づいた私。 お兄ちゃんの前だと何か緊張する。 それに、お兄ちゃんが部屋から出てきてくれたことが嬉しい。 なのに。 何も変わってなんかいなかった。