文字の先の君へ






「汐里ー、遅いよ。電車の時間ー」

「あ、ごめん」

嘘、いいよいいよ。

なんて笑うえみに駆け寄った

「お財布あったー?」

「…ん? あ、あったあった」


実際えみの声はあまり入ってこなくて

「汐里? どうしたの?」

「なんでもないよー」

全然大有りだけど

言葉も見つからずに口から出たことば