ありがとババア

エンジンをかけた軽自動車が、塀の向こう側に停まっている。


「これから老人ホームに行きますよ。すぐ入れる所が見つかったんです!」

腕を掴まれ

「ほら、急いで下さい!遠くの県から迎えに来てもらってるんですから!」

グイグイと引っ張られるおばあちゃんと――

目が合った。


「ありがとうねぇ」


アタシに見せたその微笑みに

ズキッ……

ちょっと胸が痛くなる。