今日も触れるだけ 一回きりのキス。 唇が離れた瞬間に、 彼は不敵に口角を上げる 満足そうなその表情が可愛くて なんだかとても幸せな気分だった 愛おしそうに 私の髪を梳いてくれるから たまらなくなって抱き付いた 「……これはこれは珍しいことで」 喉の奥で楽し気にくつくつと笑って 茶化すように私を見下ろす それでもなんとなく 関谷くんはなにかを 堪えるような表情をしていて。 「ねえ、関谷くん」 「なに、榎本」