「高宮様!」

その時名前が呼ばれた。


書類を受け取りに窓口に立った。


そっか、私は高宮なんだ。


必要ともされない邪魔物な

高宮音々

住所だけが変わった

「高宮音々」と名前の書かれた書類を受け取った。


じわりと涙がこみ上げた。


馬鹿だな私、

いつだって、私が欲しい人なんて今までいなかったじゃない。


『お前なんか貰わなければ~-----------』


誰かの声が胸の奥お方で冷たく響く

私なんて誰もいらない。