父の49日の法要も終わり、

遺品分けも滞りなくすんだ。


「何してるの?」

父の妹の、霞おばさま。


あまり面識はなかったけれど、

親戚の方との交渉や、式の手順、様々なことを、

ご主人と進めてくださり、

何もわからない私を助けてくださった。



「おばさま。はい、父の写真の整理です。」


「そう?ところで、

 向こうには、いつ戻るのかしら?」


「そうですね、

 いつまでも休むわけにもいかないので、

 来月早々には、帰らないと。」



「なら、この家は、私たちが管理するのでいいわね?」


「この家ですか?」


「こんな古い家、住む人がいなかったら

 すぐ朽ち果ててしまうわ。


 主人も今度の選挙で、

 こっちの地元の議員に立候補するつもりだから、

 高宮の家に住めるとありがたいのよ。


 あなたはどうせ、海外に行くのだもの、

 いいわよね?」


「はい、

 そうしてください。」


「良かった、早速荷物まとめていただける?


 そうね、持っていかない荷物は物置に運んでおいて?


 大変でしょうから忍に手伝わせるわね!」


そうなんだ。

そろそろ離れないと、

いつまでも父の思い出を糧に生きていくのも

もう終わりにしないと。