予想通り、メロディーが辺りに響く。 その音に希愛は唇を緩ませた。 希愛の視線の先には特別棟 那由汰は決まってここにいた。 この特別棟から聴こえてくるメロディーはすうっと心に染み込み、心を揺さぶる。 とても切なくて、泣きたくて…だけど何回でも聞きたい。 那由汰の奏でるメロディーはそんな音 希愛はすぅっと息を吐く。 気持ちを落ち着かせて、前を向く。 重い扉をキィッと押し、中へと入っていった―――。