「工藤くん」 「どうした?」 「…何でもない」 「変な奴」 そう言って工藤くんは、あたしの頭に手をおいた。 そういう仕草に、あたしは弱いみたい。 すぐ、ドキドキしちゃう。 「工藤くん。着いたから、手をどけてくれないかな?」 「何で?結構いいくらいの高さだから、置いてたら楽なんだけど?」 「重いの!!」 そう言ったら、やっとどけてくれた。 「ただいま」 今日はお父さん達はいないから、あたし一人。 いや、お姉ちゃんもいる。