「じゃあ今から、山崎ん家行くぞ!!」 「……うん」 お姉ちゃんに会えるから、そんなに嬉しそうなの? そう聞きたいけど、聞けない。 『そうだよ』って言われるかもしれないから、怖くて聞けない。 弱虫だな、あたし。 自分自身に、呆れてしまう。 「山崎、どうした?」 そう微笑みかける、工藤くん。 「……反則だよ」 「ん?」 「何でもないよ。早く行こっか?」 「おー」