同郷の者が互いに頷き、私を見る。一人はおちゃらけ、一人は強く頷く。すぐ側にきたユハスが「急ぎましょう」と促した。
ヨウが仲間をつれて姿を消した後。オーズは息を吐く。長かったと。
ヨウの先祖はもともとあの土地の近くに住んでいたのだ。つまり、オーズ達の先祖である。人魚の乙女が悲しんでいる姿を見ていることができず、共に去ったという。
「オーズ様、よろしいので……?」
「時を必要としたが―――これで良い」
――――これも運命なのだろう。
皆に伝えねば。
そういうオーズに、控えていた者か頷いた。
* * *