……そうか。 ほこらにおさめられているという、人魚の残した宝玉。 人間の青年と夫婦となった人魚の乙女の話。 「我らが立ち入ることが出来ないなど……」 「許せ、ヨウ。彼女自身が望んだのだ。悲しまぬように」 幼い頃、己の先祖の話しを聞いた。 なぜ、仲間の中で己の流す涙は、他の者と比べて脆くないのか。 人魚の涙は玉となる。だがそう簡単なものではない。己の心しだいで、その品質がかわる。だが私は幼い頃から、泣けばその涙は珠玉となっていた。それが他の者と少々違うことくらい、すぐにわかる。