思い出すだけでも、嫌になる。


 よくもまあ生き残ったものだ、とヘズは隣にいるブラギを見た。
 奴もまあひどいありさまであったが、なんとかここまでたどり着いた。それはまあよしとしよう。






「やはり噂は本当のようだな……」

「噂、ですか」







 殴られると思って覚悟を決めていたはずの二人を殴らなかったのは、頭でもあるゼクトだ。

 しかしおびえたままのブラギに変わり、ヘズは思い切って頭に尋ねる。