人魚はその村の一番偉い者の前に立ち、青年の墓を尋ねた。そして青年の墓を前に、人魚は一人佇む。 "何度貴方と別れを経験しようと、私は何度だって貴方を愛するわ" 乙女はそれきり、二度と村に姿を見せることはなかった。 村に伝わる美しい宝玉は、その乙女が青年の墓に供えたもの、乙女が流した涙が集まってできたものだとも言われ、語り継がれている。 ――村に伝わる昔話より。