浜には色んな漂流物があり、大きな板や樽が流れついていた。それをよく確認しながら避けていく。
どうやら中型程の船だったらしい。
しかし珍しい。このあたりでは船が難破することは滅多にないのだ。
小屋から少し離れると、海辺に岩が姿を現す。この岩場はよく父と一緒に来ていた場所の一つだ。
流木が絡まるように岩に乗り上げている。岩から岩へ、足場に気をつけてつつ進む。
不安定な岩場はよく気をつけなくてはならない。昔、父に言われたのにも関わらず転び、痛い思いをしたのが懐かしい。
「―――人!」
"それ"は海に半身をつけていた。
上半身は裸体で、岩場に乗り上げている。
生存者がいた!
喜びと同時にはっとして、すぐに近寄る。