「えっ?」





 嵐が過ぎ去った後。
 あの慌ただしかった原因がわかった。


 それは―――――海にあった。嵐の後なので濁ってしまっているが、浜に打ち寄せられた木片や"それ"は恐らく……。







「難破した船か……」






 セインの話だと、あの嵐の真っ只中に船が見えたという。それで大人たちが様子を見ていたのだが、海にのまれてそのまま。

 生存者がいないかどうか探しているのである。

 打ち寄せられた船の残骸を見るからに、難しいかも知れない。




 私も小屋のある海辺へと向かう。
 途中リンに声をかけられたが、大丈夫だと返した。



 まだ少々荒れ濁る海。