この村にも、人さらいが出た。
男の子より女の子をさらうのは、花街、つまり娼館に売るためだ。
リンと私と、他の子が暴れていた時、異変に気づいた父は誰よりも咲紀に助けようとした。
―――――そして。
深い刀傷を受けた父は死んだ。
助けに入ったセインの父ウルドもまた負傷したのである。
一人ぼっちとなった私に、いろいろと世話をしてくれた村の人、それからエノヒ。
孤独ではなかった。でも、どこかで私は淋しさを感じる。ひりひりとする。
親に抱きしめられている笑顔の子。羨ましいと思ったこともあった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…