あの話では青年の亡き後、一度だけ村に訪れた後人魚は姿を消した。その後人魚はその地域に姿を見せなくなった。 エノヒはそれを「呪いかもしれん」と言った。 聞こえこそ悪いが、深い悲しみが覆いつくしているのではないか。青年が眠る村を、静かに守っているのではないかと。 それが「宝玉?」 「真実はわからぬが。だが私は、いつか彼らが戻り、再び共に生きていく日が来ることを信じている」 微笑んだエノヒに、私も深く頷いた。 * * *