話が大きすぎて、またうまく整理出来ない。
体を支えるために岩の上にあった手を、ヨウは上から包むようにして重ねる。
「あのね、ヨウ。私」
好きよ。
私の言葉は最後まで言えなかった。何たってヨウが私の言葉を遮ったからで、私のせいではない。
離れた顔があまりにも真剣過ぎて、私は言葉を忘れてしまったように、ただただ、ヨウを見る。
彼は額をくっつける。少し俯き加減となるから、赤い顔を見られずに済むのが幸いだった。だが、苦しいほどに鼓動する心臓の音が聞こえてしまわないか気になる。
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