真下にいるレトが、こちらを見て酷く驚いた顔をした。私、死んだんじゃないのかと言う。まさか。私は返す。 レトは刺された場所に恐る恐る触れ、さらに驚き、私へと顔をむける。 母であり、父でもある偉大なる海神よ。 声高らかに叫びたくなるほどの、この気持ちをどうしたら良いのだろう。 「レト!」 「わっ。ちょっとヨウ!?」 半身を起こしたレトに、私は腕を伸ばし抱きしめる。細い。レトはこんなに細かったか。力を込めれば壊れてしまうような気がした。 それでも、放さない。はなすものか―――。