+ 。 + 。 翼side 「じゃあ明日翼の家行くからねっ」 「ああ」 「また明日ねっ!」 無邪気に手を振る姫を見送って、家の鍵を空ける。 バタンと扉が外を閉ざした瞬間、ため息が出た。 「……奪えねえのは、俺の方だろ」 自嘲するまま、脳裏に浮かんだ姫の顔。 図書室で見た、あの表情… 瞳を潤ませて、顔を赤くして。 恋をしている"女の子"の顔そのものだった…