『…そろそろ帰るか!?寒くなってきたしな』
歩きながら篠田に勇気を出して聞いた
『…今日は篠田の事一杯知れたよ。嬉しかった。
篠田は…篠田はどうして私を好きになってくれたの!?』
静かに聞いたけど声は震えてたし、胸はまたドキドキしてた
『どうして…か…!?
えのきと話てるとさ、凄い楽しかったんだよな。ニコニコ笑いながら、一生懸命話すお前見てたら、一番近くでもっともっと一杯お前の話聞きたくなった。他の奴らと話てるのみたらなんかソワソワしてさ。羨ましくて、俺お前が好きだなって思ったんだ。…ってなかなか恥ずかしいな。ただ好きって言うよりも恥ずかしいな』
そういって照れ臭そうに笑う篠田の横顔が、たまらなく愛しかった
誰かに自分を好きになってもらう、こんなにも幸せな気分になれる事なんだ
私は生まれて初めて榎本美月でよかったと思った
玉子でなく鎌吉でなく私でよかったって
本当によかった…って思った
『…梅ちゃん、私もえのきみたいな時あったんだよね!?』
『何!?どうしたの?恋愛キラーのあんたがミッキーを羨ましい?』
『…なんかあの子にはあのままでいて欲しいわ。まっ羨ましくはないわよ。私、男には苦労してないんだから』
『そうよね。一人回しなさいよ』
『梅ちゃん理想高いからね』
鎌吉がほんのちょっぴりでも羨ましいと思ってくれた恋をしようとしてる、本当に私は人生で一番に幸せな時を迎えたのかも
夢なら…醒めないで…欲しいなあ
このままず~っと

