『なんかさ、同じクラスの鈴木と付き合ってるらしくて、チョコ作ったんだけど、自信ないから、味見してとか言って、渡してきたから、鈴木にだけ食べてもらえって返したよ。あいつ、そんな事言う奴じゃなかったからさ、本当に鈴木のこと好きなんだなぁって言ったら、照れてたよ』




そっそうなの?


そうだったの?


てっきり、篠田を好きかなって思ってて



なぁんだぁ、なぁんだ


よかった、よかったよぉ




『えのき?』




涙が、溢れて

安心して

全部チョコ断ってくれてたんだ

それなのに、私…



『ごめんね。…私。篠田がそんなこと考えてくれてたなんて。…なのに、渡せなくて』




『泣くなよ。こうして、最高のバレンタインになったんだから』




そう言って、抱きしめてくれた