「どうしたの?」 あたしが聞くと、卓哉は困ったようにふかーいため息をついた。 そして、決心したように一言。 「母さん、アメリカに急な転勤だって。」 …!? 「そ、それって…。」 卓哉が頷く。 「もう空港だって。最低三年は帰れない。らしい。」 て、ことは卓哉も独り暮らし? だって、卓哉のお父さんは元々単身赴任で北海道に居るし…。 「ったく、なんでそんな急なんだよ。いつもいつも!」 卓哉がぶつぶついってる。