前に進まれへん自分が憎い。 嫌い。 諦め悪くて、前に進もうとせぇへん自分が大っ嫌い。 なんであたしはこんな人間なんやろ… なんで前を見られへんのやろ… ―――――― こんなことを考えてたこの時、あたしはもう… とっくに前を見ていた。 でも見ないふりをしていた。 罪になる行為だったんだ。 そう。 この頃から気にし始めていた存在、真宮愁二。 その存在に… あたしはまだ、気付いていなかった。 ――――――