観念した様子の黒田さんは、一度は座ったカウンター席から立ち上がり、鞄を持つとこちらを見た黒田さんに、”杏里ちゃん”と呼ばれた。
「‥‥‥‥はい?」
「家の近くまで送ってあげるよ。」
「‥‥‥え、えっ?」
(‥‥‥‥‥????
な、なんで黒田さん。が私を家まで送るんだ‥?あ、なんだ、もしかして厄介払い‥‥?)
「最近、ここらへんの治安が悪いから送ってもらえ。なるべく一人で帰るな」
「治安が悪い‥‥?」
いきなり言われた私は、暁の言葉に拍子抜けした。そんなこと一言も聞いてなかった。
「安心して、俺は何もしないから。間違っても手なんて出したら高城さんに殺されるからね~」
残酷な言葉をへらへら笑いながら言う高城さんに、暁も笑い出した。そんな2人の様子に私の頬がだんだん赤くなっていくのが自分でもわかる。
(な、なんなの‥‥2人して‥!)
「間違ってもって黒田がこんなちんちくりんに手出すわけないよな」
「‥‥‥ち、ちんちくりんってどういうこと!?」
(キー!!この毒舌野郎!!
ちんちくりんってひどい!
人がひそかに気にしてることを‥!)
「杏里ちゃんはちんちくりんなんかじゃないですよ。可愛らしいじゃないですか」
「‥‥それは見た目だけなんだよ」
暁は伏し目がちに、まるでため息をするかのように言葉を呟いた。
(‥‥‥し、失礼な‥‥)
