「‥‥そんなこと一言も言ってない」
「言わなくても大抵わかる」
(‥‥‥う”っ‥‥)
暁の言葉にグッと歯の奥に力を入れる。何も言ってなくてもこの人には筒抜けってことか‥。
「‥‥あ、その制服、この近くの高校のだよね‥‥確か」
「あ、はい。そうですけど‥‥」
黒田さんは私の制服を見て、考えるような仕草をしていた。ど、どうしたんだろう‥‥制服に何か‥‥?
「今、何年生なの?」
「一応‥高校2年生です」
カウンター席でいつの間にか繰り広げられている会話に私自身も不思議だった。普通の大人の人と未成年で高校生である私が、この場所で会話している時点で違和感なのは言うまでもない。
ただ、違うのは‥目の前に見知っている人がいる為か黒田さんに対する警戒心などはなかった。むしろ、暁と仲が良いこの人に親近感を感じている。
「高校2年生か、そうなんだ。‥こんな所にいちゃ駄目じゃないか」
「‥‥‥暁と同じこと言うんですね」
黒田さんの言うことは正しい。
けれど、私はどうしてもここにいたい。
この居心地が良い場所に。
「‥‥‥‥‥黒田」
「わかりましたよ、高城さん。」
